音楽と都市の鼓動を体現した新世代ラジオステーション

Evolution DesignによるベルリンのRTLオーディオセンター

ヨーロッパ最大のメディア放送局の一つであるRTLが、ベルリンの4つのラジオステーションを収容する最先端のオーディオセンターを新たに設立。音楽と都市の鼓動をデザインに取り入れ、一瞬で訪れる人をその世界に引き込む空間を創り出した。

このオーディオセンターのデザインは、音楽の世界と活気あふれるドイツの首都、ベルリンへの旅をテーマにしている。RTLのトレードマークである赤色を基調とした照明、ネオンライト、壁面グラフィック、家具などがセンター全体を繋ぎ、一貫した空間を作り出している。また、ミーティングルームはベルリンの有名なバーや共有フラット、緑豊かな公園を模しており、都市のアイコニックな場所への敬意を表している。

ロフト風の内装を作り出すために、ガンメタル、合板、無垢材などの素材が使用され、ガラス製の仕切り壁、穴あきのクラッディングパネル、フェイクブリック、デニムテクスチャのカーペット、カスタムメイドのグラフィティスタイルの壁画などが組み合わさっている。ベルリンの地下鉄から取り入れた手すりが都会的なタッチを加えている。さらに、マイクを模したカスタムメイドの照明や、木々の間から差し込む太陽光を連想させる照明が、音楽業界と都市生活を象徴している。

新たなオーディオセンターは、104.6 RTL、105.5 Spree Radio、93.6 Jam FM、RTL Germany's Hitradioの4つのラジオステーションを収容している。オーディオセンターの総面積は2,700平方メートルで、約200人のスタッフが働くスペースを提供している。

このプロジェクトの全体的な目標は、ラジオとオーディオ制作を再考し、メディア業界のワーカーたちが快適に、やる気を持って、創造的に働けるような、インスピレーションに満ちた技術的に進んだハブをデザインすることだった。また、それぞれが独自のアイデンティティを持つ4つの音楽チャンネルを一つの空間に統合し、各ステーションが個別で無関係なエンティティではなく、一つの放送局のシナジーを生み出すことも重要な視点だった。

このプロジェクトは、制作と放送のスタジオが最適な音響環境を提供するために、角度をつけた二重の石膏壁と斜めに設置された内部ガラスが必要とされるなど、特殊な建設を必要とするという課題に直面した。また、音楽業界のエネルギーを反映したインテリアを創り出し、時代を超越した空気感を保つという課題もあった。これは、4つのステーションがそれぞれ異なる音楽スタイルを扱っているため、その多様性を満たす必要があったからだ。

ラジオ制作を再考するという願いから生まれたベルリンのRTLオーディオセンターは、スタッフや音楽スターたちが音楽の世界へと旅をするような体験を提供する、創造的で技術的に進んだ環境を提供する現代的なメディアハブである。音楽業界のエネルギーに触発されたインテリアは、ベルリンのエッジィな都市の雰囲気を反映し、オーディオハブの独特のアイデンティティを一層強調している。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Evolution Design
画像クレジット: Image #1: Photographer Sebastian Dörken / Max Schroeder, 2021. Image #2: Photographer Sebastian Dörken / Max Schroeder, 2021. Image #3: Photographer Sebastian Dörken / Max Schroeder, 2021. Image #4: Photographer Kevin Schuenemann, 2021. Image #5: Photographer Sebastian Dörken / Max Schroeder, 2021.
プロジェクトチームのメンバー: Evolution Design
プロジェクト名: Rtl
プロジェクトのクライアント: Evolution Design


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